厳しい冬を乗り越え、4月からは大学生となるおうちの皆さん、おめでとうございます。
進学と同時に子どもさんが親元を離れて一人暮らしを始める場合、子どもの住民票を移すか迷われる方が多いと思います。
法律的にはどうなっているのか
学生の場合、親元に住民票を置いたままのケースも相当数あるのではないかと推測されますが、法律的には次のとおりとなっています。
総務省のホームページでも住所の異動届を正しく行うよう説明がされています。
お住まいの市区町村で、行政サービスを確実に受けられるようにするため、入学・就職・転勤等に伴う引超し等により住所を移した方は、速やかに住民票の住所変更の届出を行って下さい。
(法律上の義務です。正当な理由がなく届出をしない場合、5万円以下の過料に処されることがあります。)
総務省HPより
知っておいきたい住所異動による影響
住民票を移すと、こんなところで影響を受けるのかと思うことがあります。
その中でも事前に知っておきたいのが次の5つです。
国民健康保険証の手続き
自営業のかたなどが加入している国民健康保険。
住所のある市町村で加入することになります。
転出をするとそれまでの国民健康保険を脱退し、あらためて新住所地で加入の手続きが必要となりますが、学生の場合は例外です。
「学生」としての手続きをすると、住民票を移してもそれまでの保険証が継続して使えます。
国民健康保険料は世帯主に請求され、また、市町村ごとに保険料が異なります。
手続きに必要な書類のことも含めて、早目に加入市町村の窓口に問い合わせをしておくといいでしょう。
例えば、新潟市のホームページでは次のような説明がされています。
国民年金の加入手続き
20才になると、学生で収入がなくても国民年金に加入することになります。
20才になってから概ね2週間以内に加入のお知らせと納付書が日本年金機構から届きます。
このお知らせは、住民票を登録してある住所地に送られてくるため、親元から住民票を移してあると、一人暮らしをしている学生本人の元へ届くことになります。
官公庁からの案内などもらったことのない20才の学生が、この郵便物に気づいてくれるといいのですが。
令和3年度の国民年金保険料は16,610円。
学生の場合は、「学生納付特例制度」があり保険料を払わなくてすむ方法もありますが、手続きをふむ必要があります。
成人式の申し込み
住民票を移しても、地元の成人式には出席できます。
市町村でも住民票を移している該当者がいることは把握済みですし、また成人式の案内は直前の広報誌などにも出ています。
選挙(投票)
選挙の投票は、登録をしている住所地で行うことになります。
実家に住民票をおいたままでは、投票に差しつかえることがあるかもしれません。
コロナ渦の給付金の受取
これから先、コロナにかかわらず何か給付金が支給される場合、登録をしている住所地の役場に申請することになります。
親元にいれば親がすべて行ってきたさまざまな書類の手続きも、10代の子どもが自分自身で行うことになります。
まとめ
書類の手続きなどほとんどしたことがない10代の子どもであっても、親元から離れて暮らすようになるということは、親からの独立の一歩です。
郵便物などにそもそも気づかず大事な手続きがおろそかになってしまうのではないか、ワクチン接種もこれからだしと心配される親御さんも多いかと思いますが、こういった社会経験を積ませていくことも大切なことです。
大学生になった子どもの住民票を移すことは、なかなか難しい親離れ子離れのタイミングと考えることもできます。