今日、学習ボランティアとしておじゃました小学2年生の体育の授業は、なわとびでした。
前回り、後ろ回り、二重とび、あやとび、こうさとびなど、跳べた種類と回数でランクアップをめざして練習します。
周りの子どもたちがぶんぶん跳んでいる中で、知的障がいの支援学級に在籍するA君。
前回りを跳んでみようとしますが、なんと1回もできないのです。
なぜ1回も回れないのか
「なわとびができなくても、人それぞれ得意不得意があるのだし」と思えないほど、その跳びかたには違和感をおぼえます。
どこがいけないのかな?
〇なわがきれいな輪をえがいておりてこない
自分で回したなわが足元まできたらジャンプするわけですが、そのなわがきれいな輪をえがいておらず、輪がいびつで小さいため(なわとなわが離れていないため)、足にひっかかりやすいのです。
なわを回すこつは、腕を振るのではなく、手首を固定するようにして回すのですが、ちょっときびしそうです。
〇両足を同時にジャンプできない
そして、なわが足元まで来ると、片足ずつなわを跳びこえようとするのです。
つまり、両足で同時にジャンプせず、というか両足でジャンプできないようなのです。
「(両方の足を)いっしょにジャンプ!」と声をかけると、かかとをつけたままつま先だけを上げるため、なわはかかとでひっかかってしまいます。
練習方法
〇なわ無しでその場で両足ジャンプ
まずは、なわ無しでその場で両足ジャンプをさせてみます。
「(動かずに)同じ場所でジャンプ!」と言っても、跳ぶたびにどんどん動いてしまい、しかも、続けて10回跳ぶこともできません。
外で走りまわって遊んでいれば、体幹も鍛えられ体力もつくのになぁ。
〇床を回ってくるなわをとぶ
次に、なわの1/3あたりを持ち、子どもに向かってなわを這わせます。
足元までなわが来たら、なわにひっかからずに両足で跳ぶ練習をします。
1回跳べたら、回数を増やしていきます。
A君もこの方法だと続けて5回跳ぶことができました。
前回りが1回もできないことから推測されること
前回りが1回もできず、ふらつくジャンプを見ていると、なわとびだけではなく、8才になるまでの様々な「体験」が極端に少ないのではないかと思ってしまいます。
砂あそび、水あそび、おにごっこ、かけっこ、自転車。
いやいや、もっと基本的なことすらも。
顔をあらう、服を脱ぐ着る、部屋の電気をつける消す、みかんの皮をむく、お菓子の袋を開ける、はさみで紙を切る。
体験が少ないということは、親御さんが先回りをしてやってしまっているということになるかもしれません。
知的障がいがあって、本人がなかなかうまくできないこともあったのでしょう。
困らないように困らないように、親御さんが手厚く面倒をみてこられたのだと思います。
「親が先回りせずに、子どもに体験させていくことが大切である」とよく言われますが、それがいかに難しいことであるかつきつけられます。
まとめ
A君を見ていると、小学2年生になるまで、なわとびでほとんど遊んでこなかったんだろうな~と思いました。
こうしてみると、なわとびは「自分で回して」「自分でとぶ」という体の器用さが求められる運動なのですね。
お金をかけずに体の器用な動きを鍛え、体力をつけることができ、体育の授業でも取り扱われているなわとび。
小さいうちに、何とかなわとびの楽しさを体験させてあげられるといいのですが。
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