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小2「時計の見方」 つまずきを克服する教えかたのポイント

今日、学習ボランティアとしておじゃました2年生の授業は、算数の「時計」の見方でした。

 

小学1年生で始まっている「時計」の学習ですが、多くの子どもさんにとって、時計の見方は簡単ではないようです。

 

つまずいている子どもさんが、ピンときたり正しく時計が読めるようになった具体的な「教えかた」や「言葉がけ」をまとめてみました。

 

 

 

 

 

 

時計の見方

 

 

《ドリル1》時計は2時15分です。次のとおり時計が進んだり(戻ったり)した時は何時になりますか?

①30分あと

②1時間あと

③30分まえ

④1時間まえ

 

新2年生にとって「時計」はまだまだ難しい

「これからドリルとプリントをやります。わからない人は先生か、ボランティアのトコミさんに聞きにきてください。」

 

「では、始めてください!」

 

先生のかけ声と同時に、4人の子どもさんが「わからないから教えて。」と寄ってきました‥‥‥‥‥!

 

ざっと教室をみまわすと、子どもたちの1/3ほどが困っているようです。

 

 

こんなふうにつまずいている

Aちゃんがドリルを前にとまどっています。

 

「(算数セットの)時計を出してやってみようか。」

 

「ドリルと同じように2時15分にできるかな。」と声をかけると、針を2時15分に合わせます。

 

「そこから、30分あとにしてみようか。」

 

「‥‥‥‥‥。」

 

「30分あとは、《すすむ》のかな《もどる》のかな?」

 

わからないようなので、こちらで言ってしまいます。

 

「30分あとというのは、時計が《すすむ》ことなんだよね。」

 

「30分針をすすめてみてくれる?」というと、今度は1分2分と針の目を1つ1つ数えはじめるのです。

 

 

なるほど。このやり方でも数えられるでしょうけれど、時間がかかるのと数え間違いが起きやすいですよね。

 

そのため、時間を数える時は、5分ずつのかたまりで数えることを覚えてもらう必要があります。

 

「長い針が《3》から《4》になると、何分すすんだのかな?」

 

「1、2、3、4、5。5分」

 

「そのとおり!そうしたらね、もう《3》から《4》は5分と覚えちゃおう。」

 

1、2、3、4、5と数えないで、5分!

 

◎1時間=60分

◎60分=10分が6コ分

◎10分=5分が2コ分

 

 この感覚がつかめるようになってくると、時計の学習もぐっと楽になってきます。

 

 

教えかたのポイント

多くの子どもさんにとってわかりづらい点や、そこを克服するためにした声がけや教えかたを5つにまとめてみました。

<その1>
2時15分を3時15分だと思っている

短針が2と3の間にあると、まだ2時台であることが理解しづらいようです。

「短い針が2と3の間にあるということは、まだ3時になっていないんじゃないのかな?」

 

<その2>
30分あと、30分前の意味がわからない

教科書にもドリルにも、「あと」「まえ」という言葉が当然のように使われています。

しかし、これもピンとこない子どもさんが何人もいました。

「30分あとは、30分時計がすすむことだよ。30分時間が過ぎたんだよ。」

「30分前まえは、30分時間がもどることだよ。」

 

<その3>
時計の進む方向はいつも同じで、逆回りはしない

「30分まえ」をやると、「時計は(そもそも)どっち回りなの?」と聞いてくる子どもさんもいました。

もっともな質問ですよね。

 

<その4>
ではどうしてドリルで時計をもどす問題をやるのか?

「過ぎてしまった時間が知りたくなることがあるんだよ。」

「1時間前にお友達が呼びにきてくれたよ。」

「みんな10分前には集合していたよ。」

 

<その5>
端数以外は5分ごとのかたまりで数える

1分のメモリごと数えるのは、時間がかかるわりに正確に数えられません。

ただし、かたまりで数えていくことが難しそうな子どもさんは、しばらくは1メモリずつ数えていく方がいいのかなと思いました。

 

 

あせらなくても大丈夫

数のかぞえ方を反復練習

 

1年生で習った数のかぞえ方が、まだのみこめていない子どもさんが何人もいることがわかりました。

 

さきほどのAちゃんも5ずつ数えていくと、「5、10、15、20、25、30、35、40、4142」となってしまうのです。

 

「40」の次を「41」と言ってしまう時には、そのタイミングで片手を広げて「5ずつだよ」と言ってあげると、「45」と言えるようになりました。

 

 

もう少しがんばれるなら

 

「5、10、15、、、、55、60」を繰り返し音読し、それができるようになったら「60、55、50、、、、10、5」の逆順も練習して、5のかたまりの増減が完全にのみこめるようになるといいですね。

 

時計を指さしながら反復練習を行っていくことにより、長針が「1」を指すと5分、「2」を指すと10分という感覚にも次第に慣れていきます。

 

 

子どもの勉強相手

 

この反復練習には大人手が必要となりますが、忙しく疲れているというお母さん、お父さんも多いのではないでしょうか。

 

私も子どもが小さかった当時、残業から帰ってきてごはんを作って食べさせ、お風呂に入れ、もうこれ以上何もできませんという毎日でした。

 

子どもを育てていくのに、大人手はいくらあっても足りないくらいです。

 

そこで登場するのが、おばあちゃん、おじいちゃん。おばさんにおじさん。

 

ご近所で時間のありそうな、そう私のようなボランティアおばさんとか(笑)。

この反復練習、今からでも遅いことはありません。

 

時計、表、グラフと、教科書がどこまで進んでいっても、「5、10、15、」は基本なのですから。

 

 

ところで、「デジタル時計」を使っているお宅は多いと思いますが、今時分の子どもさんのお家には、そもそも「アナログ時計」はあるのでしょうか。

 

それまで見たこともないとすると、「アナログ時計」に慣れていくには少し時間がかかるかもしれませんね。