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小6 卒業文集が書けない子どもはどうすればいい?書かせるポイントは4つ

今日、学習ボランティアとしておじゃました小学6年生の授業は、卒業文集の制作でした。

 

年が明け、寒いながらも春の気配をうっすら感じる2月。

 

6年生の卒業文集の制作も追い込みに入ってきています。

 



ところが来週の水曜日が締め切りだというのに、下書きの用紙がまっ白なままの子どももいます。

 

下を向いたまま、机の上に筆箱すら出していません。

 

どうやって書かせていったらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

見本は参考にならない

あまりに書けそうもないために、担任の先生はついに先に書けている友だちの原稿をコピーして渡し、参考にするように指示を出しています。

 

私もまずはそれにしたがって、声がけをしていきます。

 

「1年生の頃は何が楽しかったのかな?」

 

「‥‥‥‥‥。」

 

「‥‥‥。じゃあ、2年生の頃は何か思い出ある?」

 

「‥‥‥‥‥。」

 

「‥‥‥。じゃあ、最近行った修学旅行は楽しかった?」

 

「‥‥‥‥‥。」

 

「‥‥‥。ん~、そうなんだね。‥‥‥。」

 

会話は全く弾まず、とりつくしまもありません。

 

クラスにもなかなか溶け込めていない様子です。

 

学校での思い出と言われても、特別無いのでしょうか‥‥。

 



結局、1時間かけて1文字も書けず。

 

あらためて別の日もこの子どもにつき、再度「1年生の頃は‥」をやってみましたが、反応はありません。

 

好きなことは何?

学年ごとにふりかえることは難しそうです。

 

学校に特別思い出がない。

 

であれば、「好きなこと」を書けばいいのでは?

 

というより、もうそれしかないのでは。

 

好きなことは何なのかと聞いてみると、ようやく反応がありました。

 

ゲームだそうです。

 



何について書くのかさえ決まれば、下書きの書き方を一緒に考えてあげることができます。

 

  • 好きなゲームを書きだしてもらう
  • どういうゲームなのかの説明を書いたらどうか
  • どうしてこのゲームが気に入っているのかを書くと想いが伝わるのでは
  • キャラクターのイラストを描きたいかどうか

この子どもは、3つのゲームについて書くことを決めました。

 

そこで、下書きの用紙を大まかに3つに区切り、イラストを入れる位置も印をつけます。

 

ゲームについて書くことが決まると、これまでの様子がうそのように書き始めるではありませんか。

 

ほとんど話さない子どもなのですが、ゲームについて書いたことを読ませてもらうと、その「熱い語り」が伝わってきます。

 

書き始めたら定型文も書き始めた

ゲームについて原稿用紙の半分以上がうまってきたところで、驚くようなことがありました。

 

なんと、修学旅行の思い出についても書き始めたのです。

 

何がこの子に、見本とされる「定型文」を書かせたのでしょうか。

 

書かせるポイント

  1. 「定型文」のために子どもに与えるヒント
    ・大きな行事(入学式、運動会、社会科見学、修学旅行など)
    (例)
     入学式のこと覚えてる?
     運動会で一番好きな種目は何?
     修学旅行は、だれと部屋が同じだったの?

    ・最近行われた行事
    (例)
     焼き芋会はどうだったの?

    ・好きな教科
    (例)
     授業は何が好きなの?

    ・仲のよい友だち
    (例)
     休み時間は、だれと遊んでいるの?

    ・給食
    (例)
     好きなメニューは何?


  2. 1年~6年までの各学年ごとに思い出を書くという「定型文」を書くことを強要しない

    書けない子どもは、どんなに言っても書けない?書かないので強要もできないのですが。


  3. 好きなことについて書く

    学校生活にさほど思いいれがなくても、何か好きなことはあるはずです。

    その好きなことを書いた文章は、「定型文」以上に本人の考えや個性があふれていることもあると思います。

  4. 「定型文」でない内容の場合は、担任の先生に承知してもらう必要がある

    「定型文」ですら先生のチェックは入りますが、「定型文でない」のであれば、なおさら先生に承知してもらう必要があります。

    この子の場合は、何時間もまったく書けていなかったので、本人が書き始めたことを先生もとても喜んでくれました。

 

家族への感謝を書くことはすすめる

原稿の最後に、親御さんへの感謝の言葉が書かれているのも、卒業文集の「定型」だと思います。

 

書く書かないは、やはり強要できませんが、私は「一言書いたらどうかな。」とすすめました。

 

卒業文集を読んだ時に、どんな親御さんも12才の我が子からの「ありがとう」は、うれしいだろうなと思うからです。

 

特にこの子どもの様子からすると、それなりに育てづらく育児は大変だったのではないかと思われるため、余計に親心が働いてしまいました。

 

まとめ

いくら書くことが無いと本人が言いはっても、卒業文集が白紙では、本人や親御さんにとってつらいことになるでしょう。

 

ただ、大人でも興味のないことについて書けといわれるのはいやなものです。

 

でも、好きなことについてであれば書き始めるのがスムーズでしょうし、そうやって書いているうちに、直接学校に関係することも書き始めるかもしれません。