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障がいと自立心はどう共存するのか 肉離れによる歩行困難から考えた

足に肉離れをおこしてしまい、約1ヶ月ほど歩くことができませんでした。

 

 

そしてこの1ヶ月はちょうど放送大学で「障害者・障害児心理学」の授業を受講中で、中途障害をおった場合の心理支援について勉強していました。

 

自分の身にふりかかったこのまったく歩けない状態は、かんたんに中途障害を想像させます。

 

これから先の人生、もしこのまま歩くことができなくなったらという恐怖やつらさが、知識の1つとしてではなく実感としておそってきました。

 

 

 

 

 

 

中途障害の心理状態

『障害者・障害児心理学』(古賀精治)のテキストに書かれた1文は衝撃でした。

 

(2)自立と依存

肢体不自由となった場合には、自らには身体的な面で、そして経済的、心理的に他者の助けを得ながら生活していく部分がある。

 

そのように他者に頼る、依存しているといったことへの葛藤を抱えることも多い。

 

成人であれば、特にそれまで生きてきた過程で「自分のやり方」が確立されていて、自己決定や自立を重要視していた人であれば、人からの援助や支援、他者から提案された方法を受け入れること自体に非常に強い葛藤を伴うこともある。

 

『障害者・障害児心理学』(古賀精治)p139

 

「自分のやり方」が確立されていて、自己決定や自立を重要視していた人であれば、人からの援助や支援、他者から提案された方法を受け入れること自体に非常に強い葛藤を伴う

 



普通に考えて、多くの人がこのような状況になるのではないでしょうか。

 

まさしく自分にもあてはまります。

 

考えてみると、自分は「自立できない自分」というものに一番弱いかも。

 

今回歩けなくなったのは、ケガによる一時的なもの。

 

それでも、人にお願いしたり、予定のキャンセルで謝ったりと、自分らしくいられない場面が続きました。

 

これまで特に仕事面では判断が求められることの連続で、さまざまな非常事態に本当に鍛えられてきました。

 

もしこれから障害をおったら、この自立心の強さが仇になるということなのでしょうか。

 

大きな事故や病気でなくても、加齢により身体機能は必ずや低下していきます。

 

もしかして自分は、障害や老化にひときわ弱い「体質」かもなどと考えてしまいます。

 

自立心が強いことは良いことなのか

知人に80代でお店のオーナーをしている女性がいます。

 

筋ジストロフィーを発症し、現在は仕事ができずに介護生活です。

 

80代になっても認知面はしっかりしており、自分の仕事を持ち自立してきた彼女。

 

突然の病は、しっかりしているがゆえに苦しみが大きいのではないかと思ってしまいます。

心身が健康であれば、それに見合って自立する

心身が不調であれば、他人の力を借りる

ここまでの人生、「心身が不調であれば、他人の力を借りる力」を鍛えてこなかったなぁと思いました。

 

知能の発達はいつまで続くのか

50代になると認知症の心配が始まりますが、人の知能はいつまで発達していくのでしょうか。

 

テキストには知能の特徴について、以下のような説明がありました。

 

定型発達児者の知能は、全般的には、①11歳~12歳頃まで急速に発達し、発達の個人差が大きく、特に生後2~3年間で顕著である、③成人期以降は言語性知能及び結晶性知能は60歳以降になっても上昇傾向を示すが、動作性知能は比較的、急に下降する(梅谷、2004)。

 

『障害者・障害児心理学』(古賀精治)P96

 

この中でうれしい一文はここです。

言語性知能および結晶性知能は60歳以降になっても上昇傾向を示す

 

知的機能は身体機能と違って、努力のしがいがあるというのです。

 

まとめ

知的機能は保たれながらも身体機能は衰えていく。

 

この知的機能と身体機能の乖離というその時が来た時、いったいどういう精神状態になるのか。

 

耐えられるのか。

 

しかし、ここまでの人生は「仕切り直し」の連続でした。

 

その時が来たら、やはり「仕切り直し」て生きていくのでしょうね。

 

 

 

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