自分の子どもが小学生だった時には仕事が忙しく気持ちに余裕もありませんでした。
子どもが巣立った今、忙しい先生や親御さんの助けになれたらと、週1回の学習ボランティアで小学校におじゃましています。
時計の読みかた
今日は1年生の算数です。
時計の読み方の復習のようです。
「算数セットの時計を机の上に出してください。」
先生のかけ声に、30人の子ども達の机の上に、懐かしの算数セットの時計が並びます。
「6時50分にしてみてくださ~い。」
‥‥‥‥。
どうやら子ども達には難しそうです。
「じゃあ、6時50分は6時より前なの、それとも後なの?」と先生が子ども達を導いていこうとしますが、
「後で~す。」の声に混じり、「前で~す。」と元気な声もちらほら聞こえてきます。
小学校の1年生は、まだ時計が読めなかったのですね。
もう、すっかり忘れてしまっている感覚です。
私達の役目は、「前で~す。」と言っている子どもさんの横にさっと入り、マンツーマンでかかわりフォローすることです。
壊れている算数セットの時計
「先生と同じように、まず6時にしてみようか。」と声をかけ、その子どもさんが時計のネジを回していくのですが、どうやら時計が壊れてしまっているようです。
6時を作りたくても、6時にならないのです。
短針を6ぴったりに合わせても、長針がぴったり12を指さずに、ずれてしまうのです。
多くの子どもさんは授業中、時計を必要以上にぐるぐると回し、時には逆回り、場合によっては床に落としたりもします。
1年生の小さい子どもですから、この程度の行動は不思議ではありません。
時計が壊れるのも、もっともです。
「この時計、壊れているみたいだね。短い針が6の所で、長い針が真上の12を指しているとき、(ぴったり)6時というんだよね。」と説明をするものの、そうならない時計を見ながら、その子はふに落ちたのでしょうか…。
授業では「6時50分」をいつまでもやっているわけにはいかず、次のページやドリルへと進んでいきます。
授業が終わったらこの子の時計が壊れていることを先生に伝えなくてはと思いましたが、授業が終わった途端、数人の子ども達が先生の周りを取り囲み、何やら一所懸命訴えている様子。
休み時間は5分しかなく、次の教室へ向かわなくてはなりません。
この「時計が壊れている問題」は、次の機会に先生やボランティアの先輩方に聞いてみることにしましょう。
心配しなくても大丈夫
小1の子どもを持つ親御さんの中には、うちの子も時計が読めないと心配されている方がいるかもしれません。
けれど、その心配は無用でしょう。
時計の読み方は、これからの実生活の中で、いやでも復習させられることになります。
TVアニメの始まる時間。
習い事に行った先で。
おばあちゃんやおじいちゃん。
友達や親以外の大人から時間の確認や約束を繰り返し求められる中で、自然に身についていくのだと思います。
もう15年も前のことになりますが、自分の子どももそういう経過をたどっていったのだろうと今さらながら思います。
ですから、「授業で習ったタイミングでよくわからなくても大丈夫だよ。」と子どもさんにも親御さんにも言ってあげたいのです。
大丈夫ですよ~
親御さんにしていただけるならば、子どもさんが算数セットを家に持ち帰った時、あるいは参観日で学校に行った時に、わが子の時計が壊れていないかチェックしていただけるといいのではないかと思います。
子どもさん本人は、壊れているかどうかがわかりませんから。
限られた時間の中で子どもさんと瞬時に向き合い、なんとかつまずきを解消してもらえたらと、こちらも夢中の45分間です。
素人のボランティアを受け入れてくださる学校に感謝しつつ、いそいそと小学校に通わせてもらっています。