空き家に届いたハガキ
空き実家を片付けに行くと、ポストにハガキが入っていました。
両親が相次いで亡くなり1年以上が経ちます。
いったいだれからのハガキなのでしょうか。
久しぶりの郵便物に複雑な気持ちになります。
それは、地元のフェンス屋さんから父宛てに届いた暑中お見舞いのハガキでした。
まだ、父が亡くなったことを知らない人がいるんだ。
地元のおくやみ新聞に記事を載せ、仲間も多かった父だけに不思議な気がします。
と同時に、何かうれしさがこみあげてもくるのです。
高校の同窓会の通知、カラオケや旅行の案内、これでもかとやってくる郵便物。
1件1件電話をして、本人が亡くなったことを伝えているうちに、いつしか郵便物は全く届かなくなっていました。
面倒に思えた郵便物が、一転ありがたいと思える日が来るなんて…。
何ということもないはずの業務用のハガキが、空き家となったさみしい実家に、《生活》の動きを感じさせてくれた、幸せな出来事でした。
これが最後のハガキとなるでしょうか。