今日学習ボランティアとしておじゃました2年生の授業は、算数の《くり下がり》でした。
つまずいている子どもさんが、ピンときたり正しく計算ができるようになった、具体的な言葉がけや教えかたをまとめてみました。
「25-6」のかぞえ方
25をサクランボに分けます。
20のうちの10から6をひきます。
この4とばらばら(端数)の5をたします。
この9にのこっている10をたします。
ここでつまずいている
いまどきは、子ども達が理解しやすいように、25を20と5に分けるときに「サクランボをつくる」と教えているのですね。
25を「20と5」に分ける意味がわからない
サクランボをつくるとこうなっています。
「2」はどこから来たのかな?と聞いてもだまりこんだままです。
「10-6」10のかたまりから6を引く意味がわからない
「(20のうちの)10から6を引くといくつになるのかな」と次をうながしても、キョトン。
つまりここで10(のかたまり)を持ってくる意味が分からないのです。
ここがわからないので、その次にやっている事ももちろんわかりません。
「10-6」の計算自体に時間がかかる
そして、「10-6」は両手をつかって1つずつかぞえないとできないため、そこがメインになってしまい、全体の流れがわからなくなってしまうのです。
教えかた
サクランボのつくりかた
「(10の)かたまり」と「ばらばら」に分けるんだよ。
かたまり
ばらばら
なぜそうするかというと、6を引くときは10から引きたいからと説明したいところですが、それを言うと混乱しそうです。
そのため、説明は省略して、とにかく「かたまり」と「ばらばら」に分ける。
正しくサクランボが作れるようになるだけで、子どもさんの顔に笑みがうかびます。
形から入る
サクランボに分けたら、とにかく10から引く。
そして、10-6=4であれば、4を余白に書かせます。
しかし、次に何をしていいのかわかりません。
ここもとにかく余白に書いた4とばらばらの5をたします。
そして、「10のかたまりはいくつ残っているんだっけ?」となんとか最終章にたどりつきます。
しかし当の本人からは、なんの事?というような顔をされてしまいます。
①サクランボは「かたまり」と「ばらばら」に分ける。
②10から6を引く。
(10-6=4)
③4と「サクランボのばらばら」をたす。
(4+5=9)
④9と残りの10のかたまりをたす。
(9+10=19)
何をやっているのか理解できていなくても、とにかくこの順番でやる。
形から入る!
ドリルで同じような問題を10個も20個も続けてやっていると、順番(形)を覚えていきます。
正しい答えが導き出せ、ノートに赤マルがつけられていくと、不安げだった子どもさんの顔に「わたしだってできるのよ」という表情がうかんできます。
すこし自信がついてから、理解が追いつくのもありかと思います。
「10のともだち」の復習
「10-6」が手を使わないとできないと何がこまるかというと、そこであまりに時間がかかってしまい、なんのために「10-6」をやっていたのかがわからなくなってしまうことです。
やっと「10-6」の答えが4だとわかったのはいいのですが、それでこのあと4をどうするんだっけ?
1と9
2と8
3と7
4と6
5と5
算数を苦手や嫌いにしないためにも、小学校2年生のこの時期に「ともだち」をしっかりマスターすることはとても大切です。
くり上がりも同様です。
教科書がすすむごとに、「10のともだち」自体はメインではなくなっていきますが、常にベースとなっています。
「10のともだち」を理解している前提で、授業は明日もあさっても次のページへと進んでいきます。
休み時間に子どもさんが水くれをしていました。