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給食を食べるのがおそい 学校ではどう対応しているか

今日の学習ボランティアは、給食の支援でした。

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知的障がいのある小学2年生のBくん。

 

給食を食べるのにかなり時間がかかります。

 

いったんお皿に盛りつけられた給食は、食べる前に自分で量を調整することができます。

 

つまり、おかずであれ、汁物であれ、減らすことができるのです。

 

Bくんもすべてのおかずを少し減らしました。

 

全体的な量は2年生として多すぎるようにはみえません。

 

 

 

 

 

 

1時間食べ続ける

小学2年生はまだまだ小さく、食べるスピードはゆっくりめです。

 

しかし、ほとんどの子どもが決められた時間内に食べおえています。

 

食器や牛乳ビンの片づけを始めたいところですが、Bくんが食べ終えるのを今か今かと教室中が待っている状態です。

 

こんな食べ方をしている

どうしてこんなに時間がかかるのかと見ていると、おもしろい食べ方をしています。

 

前歯で食べる

たとえば、サラダに入っているきゅうりの輪切り。

 

普通なら、口の奥に放り込んであっという間にかみくだきのみ込んでしまうもの。

 

このきゅうりの輪切り1枚を、前歯で1/4ほどかじるのです。

 

そう、まるでリスがどんぐりをかじっているかのように。

 

きゅうりの輪切り1枚をのみ込むまでに、他の子どもの数倍時間がかかっています。

 

パンを口いっぱいにつめこむ

また、パンの食べ方も苦しそうです。

 

手でちぎったパンを口の中に入れられるだけ詰め込みます。

 

そのため、口の中を動かすことができず歯でパンを「かみかみ」できないのです。

 

かみくだいていないものは、のみ込むこともできません。

 

口の中でパンが行き場を失ったまま、お皿の上の給食は遅遅として減っていきません。

 

家の食事はどうしている?

こんな状態をみていると、いったい家での食事はどうなっているんだろうかと心配になります。

 

味覚や嚥下機能に問題があるとは聞いていません。

 

親御さんも食事面で相当苦労されているのではないでしょうか。

 

身長はクラスでも大きいほうで、とりたてて細身でもないところをみると、家でも、何かしら食べていると思われますが、容易に偏食が疑われます。

 

支援の声がけ

「口の奥に入れる」

何でも前歯で少量ずつかじるため、その都度「前歯でかじらずに、口の奥に入れて。」と声がけをします。

 

そうすると食べものを口の奥側に移動させます。

 

「奥歯でカミカミする」

やっとこさ奥歯の上に食べ物をのせても、どうしてよいかわからないようなのです。

 

そのため、「奥歯でカミカミして。」と促します。

 

こちらは食べていませんが、「カミカミ」とエアーカミカミを目の前でしてみせると、真似をしてかみ始めます。

 

「ゴックン」

すると今度はいつまでも「カミカミ」をしているので、「はい、ゴックンして。」

 

どこにでも売っている食材に手をかけた栄養バランスのよい給食。

 

とりたてて奇異な食材を使っているわけではありません。

 

それでも食べ慣れない料理に、食べら慣れない味なのでしょう。

 

 

まとめ

前歯で「かじる」理由は「味見」と「苦手な物を少量ずつ食べたい」ということなのかもしれません。

 

学校側の努力で、Bくんは時間をかけながらも給食を完食することができるようになり、親御さんも大変喜んでいるとのこと。

 

みんなでいっしょに食べる楽しい給食。

 

先生に励まされ、みんなの前でほめてもらえる給食。

 

家庭で食べさせるのが困難な場合は、担任の先生に相談して、学校側と密に連携していくことをおすすめします。

 

 

 

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